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発掘品2
ファイルタイトルには「運命44話パラレル」とあります。
どうやら運命44話のパラレルのようです。
…が、この後何をどうしようとしていたのか、その手の覚書がないので、何をしたかったのかサッパリ思い出せません。
出てくるのはミネルバ組と、ラクカガがちらっと。
どうやらオーブ襲撃戦の直後にシンをオーブに放り込んでアスキラに会わせたかったらしいなーとは、なんとなく思うのですが。
やっぱり書きかけな上にアスキラ出てきませんが、それでもよろしければどうぞ。
↓
(タイトル未定)
『その方の姿に、惑わされないで下さい』
一瞬のノイズ。突然切り換わった画面。同じ顔、同じ髪の色、同じ背格好。けれど、漂うオーラがまるで違う。
『皆さん。わたくしは、ラクス・クラインです』
ざわっ、と艦内の手空きの人間がほぼ全員集まったフィッティングルームが混乱する。シンだって、信じられない思いで目を見開き、硬直してしまった。
だが彼女は、更に信じられない言葉を紡いでゆく。
『わたくしは今も、かの艦(ふね)とともに、ここにおります』
『わたくしは、デュランダル議長を支持いたしません』
『ロゴスを討ては、本当に戦争は終わるのでしょうか』
『しかしわたくしは、ジブリール氏を弁護するものでもありません』
『わたくし達は、もっとよく知らねばなりません。デュランダル議長が何を考えているのかを』
生まれながらの気品のようなものを感じさせる、穏やかな語り口。厳しく問いかける表情。まっすぐな視線。決して感情的にならない物言いは、こちらに考える間を与える余裕を計算しているかのよう。
何もかもが、議長の傍にいる歌姫とはまるで違った。
『…皆さん。どうかラクスの言葉に耳を傾け、もう一度自分の心で考えてみて下さい。悪いのはすべてロゴス…あなたではない…ただロゴスさえ討てば戦争はなくなる。………その議長の言葉が、本当に真実であるのかどうかを』
憎きアスハの一族最後の一人。彼女のこんな言葉によって放送は締め括られた。
だが彼女への憎しみよりも、もっと心を揺り動かしていること。
…議長に、嘘をつかれていたのかもしれないという疑惑。
「な、なんだよ、今の…」
「ラクス・クラインって…そんな…」
「けどさ、実際…前の戦争の時、ラクス様ってオーブとかアークエンジェルと一緒にいたんだろ?」
「だって、じゃああの議長の傍にいるラクス様は何なんだよ!」
ざわめくヨウラン達。くっと喉を鳴らして、シンは走り出した。
「シン!」
「シン、どこへ行く。…シン!」
後をついてくるルナマリア。止めようと声をかけ、だが相手が止まらないことに危機感を覚えたレイが立ち上がり、同じく着いて来る。だがシンは、後ろを振り返ろうとはしなかった。
シンはアスハを憎んでいた。
この国は安全なのだと、我らが国民を守ると宣言しておきながら、裏切って、家族を殺した。あの大嘘吐きの一族が大嫌いだった。
だから彼は、嘘をつかれることをなによりも嫌う。
裏切ることを、裏切られることを、嫌う。
だからもし、議長の傍にいるラクス・クラインが偽物だったなら、彼女によって人々を、自分をも煽動していたというのなら、絶対に許すことはできない。
それは、自分が議長へ寄せた信頼への、明らかな裏切りであるからだ。
「待て!!」
さっ、と回り込んで来たレイが立ちはだかる。
「…」
睨み返すシン。レイはやれやれと溜息をついた。
「何を踊らされている。お前は、オーブの言う事を信じるのか」
「オレはラクス・クラインのこと、よく知らないけど。少なくともヨウラン達やルナも動揺するくらい、似てるんだろ。二人とも。オレだって似てると思った。…ならどっちかが偽物だってことだ」
「シン…」
いつもは気丈なルナマリアも、あまりに突然のことで、動揺を必死に押し殺すしか術がない。
「シン、間違えるな。俺達は議長の命に従って戦う兵士だ。ラクス・クラインに従っているわけじゃない」
「そういう問題じゃないっ!!」
制止するレイの手を乱雑に振り払い、シンはそのまま雪崩れ込むように艦長室に入る。
「失礼します!!」
「ちょっ、シン! し、失礼します」
「失礼します」
バタバタと入って来た三人に、怪訝な顔をするタリア。
「何なの、一体」
「艦長、オレ、今からオーブに行って、あのラクス・クラインのこと調べてきます」
「そんなことが許されると思っているのか。デスティニーのパイロットであるお前が、今ミネルバを離れることなど、できるわけないだろう。我々はすぐにでもジブリールの後を追わなければならないんだぞ。冷静になれ」
「フェイスとして、今回の騒動を無視すべきではないと判断しました。向こうのラクス・クラインが本物なのか、オーブが何を企んでるのか、それを突き止めて来ます!」
「いい加減にしろシン!」
「レイ。待ちなさい」
まさか取り合うわけがないと思っていたレイは、タリアの制止に内心ぎょっとしながら振り返る。言い出したシン本人も本気で相手にしてもらえるとは思っていなかったのか、必死に訴える表情のままタリアを見つめる。そしてルナマリアは、ただ成り行きを見守ることしかできずにいた。
「…いいでしょう。あのジャスティスとフリーダムの流れをくむ新型のことも気になるわ」
「艦長…!」
「ただし二日で戻ること。いいわね」
「私は反対です。失礼ですが、艦長の判断は短慮すぎるかと」
「フェイスとしての先任は私よ、レイ。そしてここはミネルバ。その艦長は私です」
こういう権力の使い方は好きではないが、と顔に書いて、それでもタリアはレイを牽制する。
「確かに我々はラクス・クラインに従うものではないわ。けれど彼女の影響力はあまりにも大き過ぎる。そしてその影響力を議長が利用している以上、万が一オーブにいるラクス・クラインが本物だとしたらどうなるか。…まず間違いなく、議長の不信任の声は上がるでしょうね」
「…」
鋭い視線になるレイ。だがタリアは臆することはなかった。
「もしそうなれば、この大変な時に本国がどれだけ混乱するか。…ジブリールが逃亡してしまって、それどころじゃないと言いたいんでしょうけど、宇宙に逃げた男を地球で探したってしょうがないわ。ミネルバが宇宙へ上がるまで、二日ならまだ余裕があります。シン、必ず明後日の一八○○までに戻りなさい。いいわね」
「はい。ルナ、行くぞ」
「えっ!?」
「ルナも来てくれ。…メイリンのこと、心配だろ?」
「!」
ハッとするルナマリア。
「ちょっと…どういう意味よ」
「新しいジャスティスに乗ってたの、アスランだったんだ」
「え…っ、じゃあ!!」
「メイリンも無事かもしれない」
「…これはますます、向こうに信憑性が増したわね」
嘆息しながら呟くタリア。フリーダム、ジャスティス、アスラン・ザラ、アークエンジェル。これだけ揃えば、議長のプロパガンダをしている彼女より、向こうが本物であることのほうが自然ではないか。
「では、早速オーブへ向かいます。失礼しました」
「失礼しました」
ルナマリアを伴い、一刻も惜しいという様子で艦長室を出て行くシン。レイはそれを見送って、それからタリアを振り返った。
「…今回のこと、私から議長へ直接報告させて頂きます」
「ええ。何なら艦長日誌にも付けましょうか」
「………何を考えておられるのです。あなたは」
レイの視線が冷たく凍る。タリアは厳しい眼でそれを受け止めるが、やがて重苦しい溜息をついた。
「…それを聞きたいのは私のほうだわね」
「艦長もラクス・クラインの件を? …馬鹿馬鹿しい」
「馬鹿馬鹿しい?」
「仮に議長の傍にいるラクス・クラインが偽物だったとしても、だからどうだというんです。彼女が間違った事を言いましたか」
「……」
「本物なら正しくて、偽物は間違い。…そんなこと、誰が決めたんです」
「間違っているか正しいかという問題じゃないわ」
きっぱりと、タリアは言い切る。
「間違った事を言っていないというのなら、どうしてわざわざラクス・クラインの名を騙るの。議長が、彼女の影響力を利用して民衆を操った、ということでしょう。或いは議長さえ騙されているのかもしれない。それこそ、許されないことだわ」
「ロゴスが戦争の元凶だという事実に異論でもおありなのですか」
「この際ロゴスも関係ない。議長が我々を欺いていた。残るのは、その厳然たる事実だけよ。言っていることがどんなに正しくても、騙されていたんじゃ意味がない」
「先ほどから、まるでオーブのラクス・クラインが本物だと断定されたような物言いですね」
「仕方ないわ。あちらの方が信憑性があるもの。大体、ヤキン戦の後ぱったり姿を消した彼女が今までどこでどうしていたのか、そんな話もされたことなかったでしょう。…待って。まだ真偽も定かでないのに、仮定の話で議論しても、疲れるだけだわ。続きはシンが帰ってからにして頂戴。私だってシンのオーブ行きを議長に黙っているつもりはないし、仕事は山積みなのよ」
「……………。了解しました」
すっと敬礼して退室していくレイ。タリアはまた疲れた様子で溜息をついた。
「本当に。何を考えているのかしらね。あの狸は」
* * *
まさかデスティニーでオーブに突っ込む気だろうか、と気を揉んだルナマリアだったが、さすがにそこまで短慮ではなかったようだ。それともシンがそれだけ成長したということだろうか。
* * * * *
ここまでとなります。
シンがアスキラと接触どころかオーブに潜入する前に埋没させてしまいました。
この後一体どうしたかったのか、ほんと謎…。
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只今テイルズ熱再燃中につき、ほぼほぼTOXプレイ日記と化しております。
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