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2009-08-05(Wed)

85の日記念SS

4分の3時間ほど遅刻して日付は些少しておりますが、これでどうにか滑り込みセーフ…ということにしておいてやって下さい。
85(スコバツ)の日なスコバツSSです。

あー思い出すなー、○○の日っていうと、種ん時はみんなの誕生日にお祝いメッセージ載せたりとかしたなー。
楽しかったけど…若かったから出来たことだなぁと今痛感。あの頃の若さ(主に体力気力面)を取り戻したい…。
いまやみんなの誕生日も82(バッツ)の日にもなんにもできやしないコンチクショー。

む、しかしそうするとアビスのみんなの誕生日って地球時間に換算できるのか? という疑問が…。確かオールドラントって一年が7百何十何日とかじゃなかったっけ。あわわ。



閑話休題。
たたんだ先にSSですー。

 彼の姿が見えなくなり、連絡が途絶えてもう一週間にもなる。
 単独行動の多いライトでさえ、一週間も音沙汰がなくなる事はない。モグネットを使って必ず誰かに連絡を取っているし、その連絡を取った誰かを介して様子を知ることもできる。
 スコールとジタンは勿論、クラウド、ティーダ、セシル、フリオニールの四人までもが探しているというのに、その誰もが見つけられず、連絡も取れないというこの事態は、異常である。
 更に数日後。もしかしたら僕みたいに彼にも逢いたい人がいるのかもしれない、と異界へ向かったセシルまでもが音信不通となり、そちらへはクラウドとフリオニールが向かった。

「おーい、バッツー!」
「どーこに居るッスかー!」
 イミテーションを蹴散らしながら、バッツを探す。そろそろ半月になろうというのに、その行方は未だに掴めない。
「スコール、お前最近まともに寝てないだろ。ちょっと休んどけよ」
「いや、大丈夫だ」
「大丈夫って顔色してないから言ってるッス」
「睡眠を制限された状況下でも問題なく活動するための訓練も受けている。俺に構うな」
 それよりもバッツを見つけるほうが先だ、と地平線へ目を凝らすスコールに、ジタンとティーダは顔を見合わせて肩を竦めた。これは倒れるまで放っておくしかない、と互いに考えたようである。

 世界の境界が三方に現れ、それじゃ手分けしよう、という話になって、それぞれ違う道へ踏み込んだのが十五分前。
 モーグリが現れて、セシルは無事だというフリオニールの手紙を受け取ったのが、五分前。
 そして今、スコールは自分の居る断片世界が非常に狭いことを知った。しかも、戻る道以外の境界がない行き止まり。
 バッツの姿はない。引き返し、二人と合流するべきだ。
 理性はそう言っているが、何かがスコールをこの場に留まらせている。喩えるなら、戦士のカン、のようなものが。
 それが確信に変わったのは、一軒の家に入った時。
 巧妙に隠されてはいるが、ほんの僅かな消えかけの残り香のようなこの気配は、間違いなくあの宿敵たる魔女のもの。
 考えるよりも先に体が動いていた。
 ガンブレードを構え、一刀両断。空気ではなく、魔力を断ち切る。
 空を切る音から一瞬遅れて、魔力を裂く甲高い音がついてきた。火花を散らしながら歪んでいた空間が無理矢理斬り開かれ、止まっていた時間が動き出す。
「っ!!」
 彼にとっては瞬時の出来事。体がついていかなかったのだろう、意識だけは受身を取ろうとしていたようだが、痙攣を起こしたように四肢が引き攣れ、そのまま床へ落ちる―――――寸前、スコールが受け止めた。
「う! っあ、え、スコール!?」
 目を白黒させたバッツは、目をまんまるく見開いてスコールの顔を見つめる。ほぅ、と息をついたスコールは、ガンブレードの実体化を解く。敵の気配はない。
「あれ? …えーっと、これってもしかして…おれ、アルティミシアに負けたってことか?」
「…そういうことになるんだろうな」
「うーわ、くっそー悔しい!!」
「命があっただけ感謝しろ」
「だっ、………」
 だって悔しいものは悔しい、と地団駄を踏みかけたバッツが、動きを止めた。
 声どころか息も苦しいくらいの力で抱き締められて、とてもそんな大きな動作はできない。
「………スコール?」
「…一体どれだけ探したと思ってるんだ」
 恐らくバッツはアルティミシアによって時間を止められ、空間を歪ませて作った僅かな隙間へと封じ込められていたのだ。本人にしてみれば、戦っていたはずの相手が突如消え、代わりにスコールが現れたという感覚なわけで、けろっとしているのは無理もない話だろう。
 しかし、こちらはこの二週間必死で探していたというのに、当の本人がこれでは。色々な感情がごちゃまぜに頭の中を掻き乱して、冷静さなんて保てるわけがない。
 力加減なんて何も考えずに、スコールはひたすらにバッツを抱き締める。
「心配した。…二度と会えないんじゃないかと思った」
「…」
 苦しい、と。バッツのほうも言うに言えない。
 スコールがこんなに素直に思いを言葉にすることは珍しい。自分が思っている以上に…それこそ、これだけ彼が追い詰められる程には、事態は切迫していたのだろう。自然と唇は引き結ばれた。

 二人はしばらく、そのまま黙って互いの存在を確かめ合っていた。

 やがてそっと、スコールが抱き締めていた腕を緩める。
「あんたは二週間も行方不明だったんだ。皆心配して探してる」
「ええっ、そんなに!? …ってことは、スコールが魔法ぶったぎってくれなかったら、おれって…」
「………」
「だ、黙るなよ!!」
「…時間を止められたまま、時空の狭間で」
「うわー言うなってば!!」
「どっちだ」
 今更青くなるバッツに苦笑して、スコールはバッツの手を取る。
「戻るぞ」
「え? あ、うん…」
 そのままずんずんと進んでしまうので、バッツは尋ねる機会を逃してしまった。この手、何だよ、と。
 手のひらをぴったりと合わせ、一本ずつの指を絡めて握る。いわゆる恋人繋ぎというやつだ。ふざけてやろうぜと言っても乗ってくれたことなどないのに、彼の方から。
 バッツは口を開こうとして、やめた。

 今、言葉は必要ない。
 重ね合った手のひらから、確かにスコールの思いが伝わってくるから。





あれれ、85の日だけに旅人大好きな獅子を書くつもりが…なんか違、な結果に。
自分にガッカリ砲。ごめんなさい…。

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海原未漣
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自己紹介:
ヴァナ・ディールとエオルゼアに分身を降り立たせるも散歩目的というマイペースな我が道爆走ゲーマー。一応まだ文字書き属性の腐女子でいるつもり。NLBLGLおかまいなく雑食。ときめきや切なさの刺さるLOVEであればね。きゅんきゅんしたいんだよ!
只今テイルズ熱再燃中につき、ほぼほぼTOXプレイ日記と化しております。
他、現在プレイ中…GE2RB、TOV、TOレーヴユナイティア、FFシアトリズムCC。
プレイ途中で一時停止中(積んでるとか言わない)…TOA、TOGf、P4G、DoD3、ニーア、DQH、シャイニングレゾナンス、討鬼伝、BBCC、BBCP、FF11、FF14、ドラゴンズクラウン。
プレイ開始待機中…TOX2、TOツインブレイブ、月英学園kou。
クリア済…P4Q(4主)。
やりたいけど諸事情により諦めた…FF零式、FF15、ソルサク。
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他にも種やマクFとかとか。

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