×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
腐女子が好き勝手な妄想を語ってたり、 ゲームのプレイレポになってたり、 日常のツブヤキだったりする、 一応、日記。
◇からの鳥篭
TOA、ガイ独白
久しぶりに訪れたファブレ家は、あまりにも静かだった。
こんな寂しい印象の屋敷だっただろうか。ガイは記憶を探ろうとして、やめた。
いつも退屈そうな顔をして、それでも一緒にいた時には楽しそうに笑っていたあの子が、必ずそこにいる。
何も知らなかった無垢な笑顔を思い出す度に、ずしりと胸に重石が圧し掛かる。口では行くな止めろと言いながら、結局はその手を離してしまった。
中庭に降りると、空気を通しているのか、ルークの部屋のドアが開け放たれていた。窓も大きく開かれ、カーテンがひらひらと風に舞っている。―――ああ、あの子を優しく閉じ込めていた鳥篭は、こんなにも小さな世界だったのか。
大空へと飛び立った赤い小鳥は、今頃どこにいるのだろう。