「残る3名が決まらないのは私のせい」
「おい、ユキ!それは違うぞ」
「そうです。そんな言い方しないで下さい」
「でも、それが事実」
「違う!」
「私は通常の黒魔道士よりも魔力が高く、そのために平均的な冒険者以上の魔法ダメージを与えてしまう。一撃で倒してしまう事も少なくない」
淡々と説明する女の子に、ああもう、と男の子が歯噛みする。
「それ、すごく楽に敵を倒せるってことじゃないか。LV上がるのも早そうなのに、なんで集まらないんだ?」
腑に落ちない様子のカガリの隣で、クラウドさんが腕を組んだ。
「スキルか」
「そう」
「ユキの魔力をアテにして楽に上げようっていうような奴には、制裁喰らわしたしな」
フン、と腕を組むタルタル君に、爽やか暗黒騎士が苦笑した。せ、制裁って何だろう…。
「敵があっさり沈むとスキルが上がらない、だが1ランク上の敵を相手にすると今度は苦戦しすぎる、だがメンバーを増やすとあっさり沈む…」
「悪循環ね…。それで発想を変えてみたってこと?」
クラウドさんとマリューさんが頷く。
僕とカガリが顔を見合せて、わかるか?ううん、と目と顔で会話。その下から、溜め息ひとつ。
「言い忘れた。ああ、いやこういう時は申し遅れましたっていうのかな。彼女はユキ、こいつはイツキ、…俺はキョンだ。よろしくな」
ごく普通のPT紹介。だけど、僕ら双子以外の全員が、えっ、と彼を振り返った。ていうか、見下ろした、かな。
…ん?
彼なにかヘンなこと言った…?
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